僕らは既に懐メロの住人
なんだか無性にワープレコーズな気分なので、懐かしのミュージックDVD『WARP VISION THE VIDEOS 1989-2004』を引っ張りだし、延々とリピート再生。胎教に最もそぐわない音楽だ(笑
このDVDが発売されたのは10年以上前だし、収録曲はそれよりも一寸前にリリースされたものだ。だから「最近の若い人」にとっては既に懐メロの域に達しているのだろうけど、その尖った音と映像は今でも色褪せることはない。(なんて言ってるのは老いの証明なのだろうけど)
DVDにはエイフェックス・ツインやオウテカ、スクウェアプッシャーなどのワープレコーズを代表するアーティストのPVが34も収録されているが、目を引くのは何といってもクリス・カニンガム(Chris Cunningham:イギリスの変態で天才)の作り出すダークで退廃的でサイバーパンクなPVだ。
彼の作品で有名なのはエイフェックス・ツインの気持ち悪いPVや、スクウェアプッシャーの意味深で不可解なPV、ビョークの神秘的なPVだろう。いずれも音楽とその世界観に対する想像を掻き立て、深淵へと導く素晴らしい映像。特にこのジャンルに興味の無い人でも、二体のロボットがつながり合うビョークのPVを目にした方は多いはずだ。因みにこのPVは先のDVDには収録されていないから、DVDをポチる場合は注意が必要だ。
スクウェアプッシャーのコレは・・・そうだな、ブレードランナーやガンヘッド、攻殻機動隊の原作あたりが好きな方にはグッとくるものがあるかも。僕も大好きだ。
※先のDVDに収録
イギリスの変態が作ったゴム人間は某少年誌のゴム人間よりも魅力的。これも先のDVDには入ってない。
DVDに収録されている中で一番のお気に入りはジェイミーリデルのこれ。クリス作品じゃないけどね。もちろんCDも持ってるさ!まさかこの曲意外が死に曲だらけのアルバムだとは…いや、そんな事もないか。
で、ああ、なんだったか。懐メロだ。
僕にとっての懐メロはCDプレイヤーを手に入れた小学校高学年からMDを経てPCにWAVで取り込んで重たい重たい文句を垂れてたあたり。
ワンズが世界が終わるまでは離れないような歌を叫び、小室哲哉、浅倉大介、角松敏生の御三家がピコピコ音を鳴らし、近藤真彦が天使のような悪魔の笑顔に警鐘を唱え、ムーンチャイルドがエスケープし、フライングキッズが愛の力をディスカバリーし、ペプシマンが街を駆け抜け、叫ぶ詩人の会のメンバーが薬で逮捕され、スピッツが愛してるーとつぶやき、浅草橋ヤング洋品店がつんくのオーディション番組になり、ラブマシーンやらなんやらかんやらエミネムな時代だ。ハマサキアユミは龍虎の拳くらいしか記憶にない。
僕より上の世代は『何言ってんんだこいつ』だろうし、僕より下の世代も『何言ってんんだこいつ』になるだろう。でも、その時代の音楽はそんな感じだった。
因みに僕が初めて買ったシングルCD(懐かしの8センチCD!)は久宝 留理子のreduceだ。
つづく