千葉県秘境探訪 市原市の割れ目と穴と電車と森ラジオ
今のご時世、ゴールデンウィークを始めとしたイベント事を存分に楽しめるのはごく一部の上級国民くらいのもの。僕のようなうらぶれた者どもは様々なモノに追われ、討たれ、引きずり回されるばかり。
多くの場合、僕らに与えられる選択肢は逃げる、隠れる、玉砕という名の無駄死にのみで、戦う権利は端から剥奪されているので始末が悪い。ならば隙を突いて「逃げる」のが最善だ。人目を避け、一つ所に止まらず、素早く。
つまり「妻の顔色を伺いながら8時間の事由を手に入れたので山中のトンネルを目指した」 って事ですハイ。
(;´Д`)=3 ハァ
千葉県市原市周辺探索
一先ず高滝ダムへ。真っ先にダムを目指すとか、僕も中々のバイク乗りになったものだ。何故バイク乗りがダムを目指すのかはいまだに分からない。
千葉県の市街地から少し外れると、このような無人駅も結構ある。千葉都民病をこじらせて、東武野田線を東武アーバンパークラインにしたり、流山セントラルパーク駅なんていうニューヨークを彷彿とさる痛々しい名前の駅を造ったりする恥ずかしい鉄道会社はこのシンプルさを思い出すべき。
一発で地名を読めた人は漢検8段
ホームに立つと眼前に鎮守の森が。主が潜んでいそうな佇まい。
鉄道の次はトンネルを巡る。一つ目は砂時計のような形状で、吸い込まれるような不思議な感覚を覚えるトンネル。
伝統的な観音掘りのトンネル。
先客。お休みのところ邪魔してすまんね。
途中こんな張り紙が。浦白川のドンドン?促されるままに藪こぎしながら進むと・・・
沢だ!下に降りると・・・
みごとな割れ目!高さは5~6mくらいかな?滑り易いMXブーツでカメラ片手に奥まで侵入する勇気はなかった。
もしかしたら、このブログを見てデートついでにココに行こうって奇特なカップルがいるかもしれないので一応忠告。
悪いことは言わないから、せめて彼女用の長ズボン+長靴を用意すべし。やぶ蚊や草が生い茂るこんなトコを歩くからね。因みに駐車スペースは皆無だ。
足もビショビショになるぞぅ。カメラ女子的なアングルに騙されてはいけない。
割れ目ポイント近くには鉄道撮影ポイントも。偶然にも、トンネルを通過する電車に遭遇。僕の名誉のためにも言っておくが、僕は”鉄”ではない。もっと悍ましい何かだ。
線路脇には蝮草の群生。小さい頃、こいつの白い汁にやられて手が腫れ上がったっけ。
お次は真ん中が抜けているトンネル・・・もとい林道月崎1号線。聴こえてくるのは鳥の歌と山の声のみ。
アート作品『森ラジオステーション』だ
かつて電車の整備小屋だったものを改築というか、屋根やら壁全面に緑を生やした現代アート。家屋を覆うのは、なんと全て食べられる野草なのだ。
この日は市原市山間部全域でアートイベント開催中のため300円徴収かつ、10時からでないと入れないと。開場15分前、普段なら待つのは嫌だと去るところだが、たまにはゆっくり待っての1番乗りも良いだろう・・・と待っていると、開場直前に高齢者夫婦2組と、待ちきれないチビッ子&それを制する事をしない母親に大胆な横入をされて6番乗りになってしまった。
青い空、爽やかなそよ風、のどかな駅。そして推察するに森と人という割とネガティブな要素多めのテーマを扱ったであろう作品の前で繰り広げられるダイナミックマナー違反。もしや、それらも込みの作品ではあるまいな・・・
元々整備小屋だっただけあって、中には様々な整備用工具が。
動植物を加工した作品も展示されている。
ヘッドホンを装着してチャンネルを合わせると、周辺の森の音を聴く事ができる。もちろん生放送だ。
僕も聴いてみたが・・・悲しいかな、それらは釣り好きな田舎者の僕からすると別段珍しいものではなかった。ただ、不思議な事にラジオを通すと、それらが手の届かない過去の記録であったり、遠い世界の出来事のようにも感じられ、はたしていつまで「自然が発する声」を当たり前のものとして捉えられるのだろうと少しだけ不安になってしまった。
ラジオステーションなので屋根には大きなアンテナが。先端がカワイイ。
これでゴールデンウィーク中、僕に与えられた自由時間は終了。
じゃぁね。
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