活動を継続して欲しい人達その2 COALTAR OF THE DEEPEPERS

COALTAR OF THE DEEPERS

 

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皆さんはTBSテレビが早朝に放送しているPV垂れ流し番組をご存じだろうか。

この番組には司会者はおらず、ただひたすらPVを放送するのみ。有名な歌番組やCDTVなんかのランキング番組では目にする事の無い所謂「マイナー歌手」と、そこそこメディア露出のあるアイドルグループのPVをただひたすら垂れ流すのだ。

 

僕がはじめてこの番組?を見たのは、今から10年ちょっと前の20かそこらの頃。多くのダメ人間がそうであるように、10代後半から20代前半の明け方なんて、女性と一緒にいるか、友人ズと飲んでる事が常だったし、一人でいる時は水辺で釣りの準備をしているような有様だった。だからこの番組を見る機会が多かっし、僕は僕で未知の歌手と出会えるこの番組が世界中のどの音楽番組よりも好きだった。

 

その日は胸の小さな年上の彼女と一緒にいた。彼女は僕より14年上で、浅黒く、しかしきめ細かい肌と華奢な体、それに反して肉感的な尻が魅力的だった。明け方にボケッとしながらテレビをザッピングしていたところ「いつもの」PV垂れ流しに遭遇した僕は、オッサンみたいな寝息を立てるの彼女を腕枕したままテレビに見入っていた。何でそんな事まで憶えているのかって?その時出会った音が余りに刺激的だったからさ!

 

テレビのボリュームを下げていたにも関わらず、明け方の気だるい空気を両断するようにうねるシンセサイザーの音と、心を擽る狙いすました粗さのあるPV。Sadesper Recordと出会った瞬間だった。

 

一発でSadesper Recordの音に魅了された僕は、彼女ともう二発やった後に彼らを調べ、フロントマンのNARASAKI氏を知り、そして氏が主宰しているもう一つのバンドCOTDに行きついた。

彼らは声も音も自由自在。ジャンルは・・・わからない。

因みにNARASAKI氏は様々な有名アーティストの曲を手掛けている。

  

Sadesper Record、そしてCOTDに出会ってから2、3年。当時乗っていたオデッセイアブソリュートの純正カーナビにCOTDのアルバムのどれかを読み込ませると、何故かアーティスト名が本正之シングル文庫の檸檬倶楽部になり、曲名もその通りになってしまった。

シングル文庫 - 檸檬倶楽部 - Weblio辞書

 

当時付き合っていた彼女はCOTDを気に入ったようで、出かける度にカーナビの操作に悪戦苦闘しながらトラックを探し出しては、この曲がどうだ、あの曲がどうだと楽しそうにしていた。やがて彼女との関係も終わったが、彼女に貸した初回限定版COTDベアブリック付のCOALTAR OF THE DEEPERS EP BOX SET 1991~2007は戻ってこなかった。

別れた後少し経って、お互いに新しい恋人が出来た後も数度夜を共にする事があった。その際にも返却を求めたが答えは「NO」。この記事を書くにあたり、前述のCDBOXの存在を思い出して再度購入を試みたが…

思い出と共に葬るべき記憶もあるのだと言い聞かせることにした。

 

 

音楽は良い。

記憶の彼方に葬られていたはずの記憶が、ともにあった音楽を思い出し、口ずさむだけで、その時の情景が鮮やかに再生される。良い思い出も、嫌な思い出も、別に何てこともない思い出も。

 

僕らは知らぬ間に自分のテーマ曲を設定してるんだ。

彼方にもテーマ曲が幾つかあるだろう?

無いならご愁傷様。損してるよ。