2歳の誕生日プレゼントはヨツバサイクルの自転車 12インチと2歳女児の実際その1
娘がポコんと生まれて2年が経つってことで、ヨツバサイクルの自転車を与えた。ストライダーじゃないのかって?あぁ、まぁそれは後程。
今回は僕が2歳になったばかりの娘にプレゼントした自転車と、初めて自転車に乗る2歳児の実際についてを記そうと思う。僕と同じく2歳になりたての子供に自転車を与えようと画策する世の父親たちは参考にしてほしい。
自転車選びは宝探しでは無いので速やかに終わらすこと
2~3歳児の自転車なら間違いなく12インチだ。何故なら足がべったり着いた状態で押し歩きとハンドル操作を覚えることこそ、自転車に乗れるようになるための最短ルートだから。これについては、かつて世話になっていた自転車屋が開催していたチビっ子向け自転車教室の手伝いで、その効果を何度も目の当たりにしてるので間違いない。
じゃあ早速12インチの子供用自転車を探そうとなるが、子供の自転車選びは宝探しのようにワクワクする訳でも、スリルがある訳でもない。どちらかというとストレスにしかならないからサッサと終わらそう。検討すべきは次の2つで十分だ。
1.ヨツバサイクル
2.へんしんバイク
へんしんバイク(小さい子にはへんしんバイクSのほうね!)については公式サイトやあちこちのブログなどに山のように情報があるため、以降は情報が乏しいヨツバサイクルについてツラツラと
ヨツバサイクルとはなんぞや
ヨツバサイクル?聞いたことないぞ・・・って人は多いと思う。僕もその通りで、ぼっちさんのブログで初めて知った。
販売元はダートフリークという、モトクロスやエンデューロで使用する所謂オフロードバイク関係の用品を専門に扱う問屋で、その界隈では知らぬ人はまずいない有名企業。
よくよくサイトをみてみると、MTB用サスペンションフォークの最高峰ROCKSHOX等の自転車パーツも扱っている事に気づいた。僕は10代後半~20半ばまでは自転車のクロスカントリーとダウンヒルごっこをやっていたので、実はセローやWR250Rに手を出す以前からダートフリークにお世話になっていたんだなぁと少し驚いた。
まぁオフロードなにそれ美味しいの?って人からすれば得体のしれない会社だと思うけど、その辺は心配無用。信頼と実績のある企業ってことは間違いない。そしてヨツバサイクルはダートフリークの自転車事業部が2016年に販売を開始した出来立てホヤホヤのブランドとうわけだ。
販売元がわかったら次はアレだね。自転車愛好家諸兄はアレが気になって仕方ないでしょう?
そう「設計どうしてんのさ?ぶっちゃけどこのフレーム使ってんの?」って事ですよ。僕も気になったのでダートフリークサイクル事業部に直接問い合わせてみた結果は・・・
企画からスケルトン(設計)まで自社で行っていると回答
つまり台湾や中国あたりで作られた「あり物のフレーム」にラベルを張り付け、ブランドの看板と高めのプライスタグをぶら下げた自転車ではないという事だ。
勤め人ならば解ると思うけど、新規開発と流通確保には結構なコストがかかるため、おいそれと着手できるものではない。それだけ本気で作った自転車だということだね。
あー、あとどこのメーカーで作ってるのか聞くの忘れてた。
ヨツバサイクルの装備を見てみる
車体色
小さいサイズの車体色はヒーローレッド、ラムネブルー、プラムピンクの三色で展開。実物の発色がまた素晴らしいので、ぜひ店頭在庫がある店で確認してほしい。
僕はヒーローレッドを選んだ。
ブレーキ
自転車の重要部品と言えばブレーキだ。サドルが無かろうが、パンクしていようが走る事はできる。でもブレーキが無ければ止まれないので、怪我をするかさせるか死ぬか死なすかというロクでもない事になる。そんな当たり前の事を念頭に置いてコレを見て欲しい。
なんと対象年齢2~3歳の12インチ車にテクトロのVブレーキが装着されている。たぶんココまで読んだ人のうちで、自転車のコンポーネントに明るく無い人は「テクトロ ブレーキ」で検索して、その酷評っぷりに不安になっていると思う。
確かにテクトロのブレーキはロードバイクやMTBのエントリーグレード、クロスバイク等の比較的安価なスポーツバイクによく装着されており、正直なところあまり評判は良くない。僕もそう思う。
でもそれは「子供よりも遥かにデカくて重たい大人」が「スポーツバイクに乗って」「それなりに経験を積んで」「結構な速度を出して乗った」場合の話であって、105やディオーレ以上のブレーキを知らない人がフツーに乗っている限り弱いと感じる事は絶対にあり得ない。ママチャリやクロスバイクを普段使いしてるフツーの人だってその通りだ。
そう、体の小さな子供が乗るのならば、はっきり言ってオーバースペックにも程があるレベルなのだ。もしテクトロのVブレーキが駄目だと言うならば、国内で使われている自転車の殆どが止まらない危険な自転車という事になるだろう。
ブレーキレバーは小さな手でも必要十分な制動力を得る事ができるよう小さく、そして握りが深くなっている。
この辺はある程度調節できるけど、ゴミ糞レベルの技術しかない自称自転車屋、もしくは整備知識や経験も無いのに量販店の自転車売り場担当にされてしまったバイトでもなければ購入時の状態で何も問題ないレベルに調整しているはず。
タイヤとホイール
ブラックアウトしたホイールにブロックタイヤを履いている。ブラックアウトしたホイールですよ!そんなのカッコイイに決まってる!!!流石ダートフリークの皆様は良く分かってらっしゃる・・・幼児のくせにズルいぞオイ!
足元ブラックアウトはフレームやサドルの色味も映えるようになるので、元々小洒落た配色のヨツバサイクルが更に良く見えるようになる。オシャレに気を使うマウンティング大好きな見栄っ張りママも納得って事だね。
タイヤはブロックパターンのチューブタイヤで、12インチは補助輪が標準装備となっている。昔の補助輪は後輪と同じ高さで地面ベッタリ、つまり後輪にタイヤが四つある4輪車みたいになっていたけど、最近の補助輪は後輪よりも浮いており、多少ならバンクさせる事も可能で、まさに補助って感じだ。
これもホイールと同じくブラックアウトされており、補助輪付きでも統一感のある見た目に仕上がっている。
サドルと反射板
自転車乗りは「窓に写る自転車を漕ぐ自分を見た時」「良い角度で路面に投影された自分の影を見た時」に得も言われぬナルシシズムに包まれる。そして「一息つきながら自分の自転車を眺めた時」に至高のうっとりタイムが始まる。クロスカントリーやロードレースでゴリゴリ使うのでなければ、サドルの見た目は機能面と同じレベルで重要だと言える。
ではヨツバのサドルを見てみよう。爽やかで可愛らしい配色と、良い位置に配置されたヨツバのロゴマーク。スポーティなフレームに白サドルはよく似合うから、子供が自転車を押しているような写真を撮った際もよく映えるだろう。
デザインは車体色ごとに設定が異なり、左からプラムピンク、ラムネブルー、ヒーローレッドにプリセット。よく見ると車体色とヨツバマークの色がリンクしているのが分かる、芸が細かいのはいい仕事の証だ。形状はサンマルコのコンコールライトのようなスポーティーな雰囲気でしっかりと幅が絞られており、足つきにも貢献。
反射板については是非とも改善を要求したい。ヨツバサイクルの反射板はシートポストに通すような形で装着されているため、サドルを一番下げる場合はこれを取り払う必要がある。
対象年齢2歳~と銘打つのであれば、サドル全下げを念頭に置き、反射板はシートステーに取り付けて欲しかった。全下げだとペダルをこぐ時に足が窮屈でこぎ難そうになるが、ギリギリ足のつま先が付く程度であっても安心感に繋がるんだよね。これは初めの一歩として結構大事。
ベル・スタンド
ベルも標準装備。
保安部品は後付けが当たり前のスポーツバイク乗りなパパからすると、アレもコレも全部付いてる!お得ッッ!と感じるはずだ。ただしスタンドは別売り。
は?スタンドなんていらねーよ?というスポーツバク乗りに見られる『非常識』に囚われてしまった人は奥さんにスタンド無いけどいいいよね?と問いかけてみよう。彼方の財布からスタンド代を毟り取りつつ罵声を浴びせ、ねじ曲がった価値観をドラスティックに矯正してくれるはずだ。まぁ補助輪付けたまま乗るなら不要だけどね。
フレーム
フレームはフリーライドスタイルなスローピングフレーム。分かる人ならこれだけでピンとくるはず、そうこの形状はシートポジションを低くできるから足つき良好だ。そして子供用自転車として販売されているゴテゴテした装飾の自転車よりも遥かに軽く、公式によると完成車の重量は6.78kgしかない。何かと偏屈なユーザーが多いこのジャンルで軽量を謳うだけの事はある。
気になる人はとことん気になる溶接部分はこんな感じ。ヨツバサイクルよりも高いトレックの下位グレードスポーツバイクよりも綺麗だ。下はヨツバサイクルの溶接部分。
そしてこちらはトレックの安価なクロスバイクの溶接部・・・うーん。
オマケでhand made in USAだったころのキャノンデールのCAAD9の溶接も。流石はアルミ狂いなだけあるってモリモリしてない。
主だった車体の話題はこんなところだろうか。
乗ってみる
ヒャッハー!
まさに狂喜。
余程楽しかったのかこの後しばらく自転車をこぎ続けていた。自転車から引きはがすのがそれはもぅ大変で・・・
さて、初めて自転車に跨った2歳と1日の女児が自分でペダルをこいだッッ!ってところで今回はお開き。ヨツバサイクル12インチと2歳女児の実際は次回に持ち越しめでたしめでたしめでたくもなし。
次回は2歳なりたての女児がヨツバサイクルの12インチ自転車に乗るとどうなるのか、そして周囲の反応とパパの末路についてを分かり難い表現で苦々しくお伝えします。