英才教育 の見返りに / 見返りは良いものばかりとは限らない
英才教育の見返りに
魚は見ても食べても釣ってもええんやで。もう少し大きくなったら一緒に魚を捌こうね。
だから頼む
釣りに行かせて下さい。
去年も一昨年もヒラマサやキハダ釣りに一度も行けなかった。それどころか月に1、2回近場で釣竿振れるかどうかってレベルだから、職場や取引先の人達には「ゴリブさん、何か白くて気持ち悪いです」「黒光りしてないとかえって怪しい」と心配されております。お願いですマイワイフ、頼みますマイドーター、空と海の青に挟まれたいのです。
ただ1人の味方であるマイサンが援護してはくれるものの、プレゼンテーションレベルが対母親推奨レベルに達しておらず返り討ち。あぁ、ここで誰にともなしに吐き出すしかないのか・・・
見返りは良いものばかりとは限らない
一人グチグチ腐っていたら、友人から嬉しいお誘いがきた。船を買い替えたから伊豆大島沖にマグロを釣りに行かないかと!
これまで幾度となく釣行を妨害してきた妻も、焦燥した顔で釣具を弄る僕を見て流石に不味いと感じたらしく、よかったねぇと笑顔で釣行許可を出してくれたのだが・・・
困惑の朝
空が白む少し前の午前3時。古い仲間が得物を携え船着き場に集まった。各々の装備を簡単に紹介しよう。
僕と船長→大型青物用キャスティングタックル3と腰巻きライジャケ、ファイティングベルト、大型化クーラーbox
友人A→シーバスロッドに大型ブッコミリール(PE1号150m巻)&ジグサビキ、よっちゃんイカ1ビン、小型クーラーbox
友人B→振り出し竿に小型リール(ナイロン1号約60m)&鯵サビキ+カゴ+サビキくん1kg、いかソーメン1パック、酒
友人C→ポカリ
友人D→10ftのショアジギロッドにフリームス4000(PE2号)とシイラルアー
友人E→オフショアシイラタックル1
おかしい。今回のターゲットは釣れるか(見つけられるか)どうかは別として、曲がりなりにも釣りの対象としてはトップレベルのパワー&ウェイトを誇るマグロ類のはずだ。それもオフショアのキャスティングゲームと洒落込んだはずなんだ。なのになぜサビキ?なぜ降り出し竿?なぜながーいショアジギロッド?そもそもポカリ一本てなんだ?
一度でも20キロ以上の大型青物を釣った、若しくはヒラマサやマグロ船に乗った経験がある方ならばわかるだろう?
大惨事だよ
サビキ組は「オレらはじっこでやるから気にしないでくれたまえ」なんて言っているが、この二人がまともに釣りをしている姿なんざ見たことがない。なんせ釣り場に到着するやいなや七輪を用意し、釣竿を置いて銛を片手に潜水するような奴らであるからして、悪い予感しかしない。
まぁ、江戸川から伊豆大島沖まで出て、そこから更に走り回るのだから燃料代は相当なもので、タンク容量いっぱいの400リットルなんざすぐに空になる。実際のところ、1人辺りの燃料代負担を減らすために面白そうな奴らにも声をかけたのだろうが・・・友人Fつまり船長も想定外だったようで、ひきった笑顔でプルプル震えている。
「言ったんだよ?せめてシイラ釣れる装備でこいってさ。」
前途多難である。
江戸川アトラクション
船は江戸川に係留しているので幾つか橋をくぐることになるのだが、満潮ということもあり船のトップと橋の隙間はギリギリ。通過の際は頭を伏せねば首がもげてしまいそう。気分はインディージョーンズだ!
悪い予感ほど良くあたる
三浦半島沖を航行中、ミズナギドリ達がにわかに色めき立つ。ナブラがでている訳ではないので、おそらくイワシや鯵、サバの類いが表層をウロウロしているのだろう。少しでもマグロ探索の時間をとるため、その程度のイベントは当然スルー・・・
「船長!さびこうぜ!」
そうですよね。そうなりますよね。しかし何故お前ら海パン一丁になっているのだ。絶対に飛び込まない事を条件に少々停船し糸を垂らすと、程なくサバが一本上がった。上がってしまった。最悪だ。
僕らの間には「一発目でサバを釣ったらその日は終了」というジンクスがある。言い出しっぺは確か僕だった気がするが、これがまたよく当たるから始末悪い。今回は・・・いや、今回も見事的中するのだ。
伊豆大島沖を走り回るもカツオやマグロのナブラはおろか鳥すらいない。そんな中でもチャンスはあった。小規模ながらカツオナブラに遭遇!カツオの下にマグロがぐーるぐーる回っている事もあるため期待が膨らむ。久しぶりに太陽の下に引っ張り出したブラックヘラクレスLMGに手を伸ばそうとした瞬間
「まかせろ!」
「いっちゃうよ!」
ちょっと待て、何故サビキ組がミヨシで長竿振ってやがる
無常にもナブラめがけて投入されるジグサビキとマルキュー謹製のお手軽ファミリーフィッシングアイテム「サビキ君」満杯のカゴ。
当然ナブラは即沈下。チャンスタイムはサビキ組みの3投で終了となった。
その後はもう平和そのもの。小魚を虐める悪い奴らに出会う事はなかった。
一旦港に寄って給油。
道の駅ならぬ海の駅なんてのもある。
最近の消波ブロックは何だか格好が良い。
港の回りでは何隻ものヨットが優雅に波をきる。
さてどうしたもんかと思案していると、相模湾側を走り回っている別グループから連絡が入った。せめてナブラ情報を・・・とすがってみるも、僕らと同じくカツオナブラに一回遭遇しただけでクルージング状態だと言う。
まぁだいたいそんなもんだが、それでも何も釣れない、というか魚の姿すら見ないで終わるよりマシだろうと、釣り場を相模湾に移してパヤオ撃ちシイラで遊ぶ事に。
4号パヤオに到着するとまたもや奴らの声が
「シイラ一杯いるお!」
「いけんじゃね?いけんじゃね?」
またもやサビキ組みのミヨシ独占である。
長い竿でサビキを投げるもんだから、釣られるのが怖くてミヨシはおろか船の前側に移動する事すらできない。トモはトモでこれまた長いショアジギロッドがポップクイーンをブンブン振り回しているせいでどうにもこうにも・・・僕と船長は船のトップで見学する事に。
結局20分近くも粘っていたが、彼らがシイラを手にする事は無かった。流石は激戦区相模湾のシイラだけあって、雑なアクションとトンチキな装備じゃ食わせるのは難しいようだ。
・・・・・
・・・
・・
・
この日、僕らはただの一度もマグロに合えないまま終了。
残念ではあるが、今回はマグロに会えなくて良かったのかもしれない。なんせ同行者の半分が意味不明なタックルであるうえに、良くて湾内ボートシーバス、悪くて手漕ぎボートでブラックバス程度の認識だ。もし目の前にマグロナブラが出たら・・・おそらく船上が大惨事になっていただろう。
ともあれ、遊漁船じゃ味わえないエキサイティングな経験ができたという事にして今回はお開き。また次回・・・は年内にあるのかね?
千葉県秘境探訪 市原市の割れ目と穴と電車と森ラジオ
今のご時世、ゴールデンウィークを始めとしたイベント事を存分に楽しめるのはごく一部の上級国民くらいのもの。僕のようなうらぶれた者どもは様々なモノに追われ、討たれ、引きずり回されるばかり。
多くの場合、僕らに与えられる選択肢は逃げる、隠れる、玉砕という名の無駄死にのみで、戦う権利は端から剥奪されているので始末が悪い。ならば隙を突いて「逃げる」のが最善だ。人目を避け、一つ所に止まらず、素早く。
つまり「妻の顔色を伺いながら8時間の事由を手に入れたので山中のトンネルを目指した」 って事ですハイ。
(;´Д`)=3 ハァ
千葉県市原市周辺探索
一先ず高滝ダムへ。真っ先にダムを目指すとか、僕も中々のバイク乗りになったものだ。何故バイク乗りがダムを目指すのかはいまだに分からない。
千葉県の市街地から少し外れると、このような無人駅も結構ある。千葉都民病をこじらせて、東武野田線を東武アーバンパークラインにしたり、流山セントラルパーク駅なんていうニューヨークを彷彿とさる痛々しい名前の駅を造ったりする恥ずかしい鉄道会社はこのシンプルさを思い出すべき。
一発で地名を読めた人は漢検8段
ホームに立つと眼前に鎮守の森が。主が潜んでいそうな佇まい。
鉄道の次はトンネルを巡る。一つ目は砂時計のような形状で、吸い込まれるような不思議な感覚を覚えるトンネル。
伝統的な観音掘りのトンネル。
先客。お休みのところ邪魔してすまんね。
途中こんな張り紙が。浦白川のドンドン?促されるままに藪こぎしながら進むと・・・
沢だ!下に降りると・・・
みごとな割れ目!高さは5~6mくらいかな?滑り易いMXブーツでカメラ片手に奥まで侵入する勇気はなかった。
もしかしたら、このブログを見てデートついでにココに行こうって奇特なカップルがいるかもしれないので一応忠告。
悪いことは言わないから、せめて彼女用の長ズボン+長靴を用意すべし。やぶ蚊や草が生い茂るこんなトコを歩くからね。因みに駐車スペースは皆無だ。
足もビショビショになるぞぅ。カメラ女子的なアングルに騙されてはいけない。
割れ目ポイント近くには鉄道撮影ポイントも。偶然にも、トンネルを通過する電車に遭遇。僕の名誉のためにも言っておくが、僕は”鉄”ではない。もっと悍ましい何かだ。
線路脇には蝮草の群生。小さい頃、こいつの白い汁にやられて手が腫れ上がったっけ。
お次は真ん中が抜けているトンネル・・・もとい林道月崎1号線。聴こえてくるのは鳥の歌と山の声のみ。
アート作品『森ラジオステーション』だ
かつて電車の整備小屋だったものを改築というか、屋根やら壁全面に緑を生やした現代アート。家屋を覆うのは、なんと全て食べられる野草なのだ。
この日は市原市山間部全域でアートイベント開催中のため300円徴収かつ、10時からでないと入れないと。開場15分前、普段なら待つのは嫌だと去るところだが、たまにはゆっくり待っての1番乗りも良いだろう・・・と待っていると、開場直前に高齢者夫婦2組と、待ちきれないチビッ子&それを制する事をしない母親に大胆な横入をされて6番乗りになってしまった。
青い空、爽やかなそよ風、のどかな駅。そして推察するに森と人という割とネガティブな要素多めのテーマを扱ったであろう作品の前で繰り広げられるダイナミックマナー違反。もしや、それらも込みの作品ではあるまいな・・・
元々整備小屋だっただけあって、中には様々な整備用工具が。
動植物を加工した作品も展示されている。
ヘッドホンを装着してチャンネルを合わせると、周辺の森の音を聴く事ができる。もちろん生放送だ。
僕も聴いてみたが・・・悲しいかな、それらは釣り好きな田舎者の僕からすると別段珍しいものではなかった。ただ、不思議な事にラジオを通すと、それらが手の届かない過去の記録であったり、遠い世界の出来事のようにも感じられ、はたしていつまで「自然が発する声」を当たり前のものとして捉えられるのだろうと少しだけ不安になってしまった。
ラジオステーションなので屋根には大きなアンテナが。先端がカワイイ。
これでゴールデンウィーク中、僕に与えられた自由時間は終了。
じゃぁね。
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