グッバイ セロー
先々週、房総半島の山中に単独ツーリングに行った。
その道中、悲惨な衝突事故現場に出くわしたり、山道でスタックしたジムニーに道を塞がれたり・・・
「あぁ、明日はわが身。僕も気を付けねば。」
そんな事をボンヤリと考えながら入山。今思えば完全に他人事で、本気でそうは思っていなかったのだろう。だから僕は痛い目に会ったのだ・・・
江戸道
まずは古道、江戸道を走る。
馬の背が続く。ずり落ちたら終わりだ。
江戸道手前の集落で立ち話をした翁によると、場所が場所だけにハイカーが訪れる事はほぼないそうだ。
こんなところにも不法投棄が。徒歩、自転車、バイクでしか来れそうにないところなのに・・・悲しいね。
某山尾根ルート
満開の菜の花と、まばらに咲く桜を横目にブラックバス釣りのメッカ、亀山ダム近くの尾根ルートを目指す。
尾根ルート入口は処分場に面しており、強烈な臭いが鼻を衝く。
江戸道同様に馬の瀬が続く。雨の後なら酷い事になるのだろうが、この日は乾いていたので簡単。しかし油断すれば転落必至。
尾根ルートを抜けると、通信施設に出る。
施設手前には朽ちた車も
一息ついて安全な林道を下って帰路に・・・
・・・・
・・・
・・
獣道「ちょっと寄ってかない?イイ道あるよ!」
僕「ちょっ。困るんで」
獣道「えー?オニィさんだってyou tubeなんかでも見てるんでしょ?抉れた轍に粘土質のツルツル斜面、水没トンネルや倒木もあるよ!」
僕「チラッ いえ、単独なんで」
獣道「最近は天気良かったし、そんなに滑らないよ!」
僕「ゴクリ」
獣道「お!オニィさん、新しめのトラタイヤはいてますね。空気圧は・・・F0.8 R0.6っと。バッチリじゃ~ん。」
僕「テレテレ んまぁ、一応・・・コポォ。チョットイッチャオウカナ」
現在「一名様ごあんな~い」
ヒャッハー!楽勝だぜ!
なんて調子こいて下った直後に自走不能に。
おそらく、昨年の慣らし後から暇を見つけては行っていたフロントアップ&ウイリー、ステアケースの練習時に半クラ使いまくっていたのが原因で、フリクションプレートがダメになったのだろう。ギアは入れど、タイヤは回らない。常時ニュートラル状態になってしまった。
なんとか登れないかと、掘り起こされたヨトウムシのようにもがいてみるも・・・独りでは如何ともし難い。
仕方ないので、セローは山中に置き去りにし、ギブスのようなブーツを軋ませながら、独りトボトボ下山する羽目に。
バイクではあっという間に通り過ぎる素掘りトンネルや林道も、徒歩でゆっくり観察しながら通過すると色々と発見があり面白い。
ここの素掘りトンネルは壁が脆いようで、指でかいただけでボロボロ崩れてしまう。大丈夫なのだろうか?
数キロ歩き、ピックアップポイントの駅に着いた。迎えの到着まで、夜の帳が下りた無人駅で佇む。ゆったり、静かで良い時間だった。